日本語能力にハンディがある外国人生徒の県立高校受験に際し、県教委は2012年度入試から設問の漢字にふりがなを付ける特別措置を始める。
(中略)
今後、県立高入試についてのパンフレットやDVDをポルトガル語など生徒の母語で作成し、生徒や保護者向けの説明会も母語で解説するという。
(
朝日新聞富山版2011年10月21日付)
左にアップした
写真中の上は今朝の
朝日新聞富山版、下は10月15日付
北日本新聞。同じネタの両記事ですが、北日本が朝日より6日先行以外にも2つの点で違いがある。見出しが朝日「県立高入試問題にふりがな」、北日本が「高校入試に振り仮名」。「ふりがな」と「振り仮名」、両新聞社の表記基準の違いからなんでしょうが、僕にはちょっと興味深い「違い」である。もう1つは、上に引用した朝日の後段が北日本にはないこと。情報源が同じ(富山県教育委員会)2社の記事、もし優劣をつけるとしたら、「説明会」にも触れた朝日に軍配でしょうか。
「外国につながる子どもたち」(回りくどい言い方だがお許しを)の高校進学について、僕も少し関わっている。
EPAによるインドネシア人・フィリピン人看護師候補・介護士候補でも「日本語」の壁が問題になっている。前回の看護師国家試験からふりがな・英訳が一部取り入れられている。それでも合格のハードルは高い。不合格者(3年以内に合格しないと帰国しなければならない)の救済措置として政府によるビザ延長の特別措置もとられたが、対象者のかなりが帰国を選んだ。日本に失望しての帰国も多かったでしょうね。せっかくのEPAによるプロジェクト、縦割り行政の弊害でしょうね、けっきょく実効が挙げられないでいる。
「
県立高入試問題にふりがな」はありがたい措置ではあるが、これだけで「アリバイ作り」とはされず県教委の更なる配慮を望みたい。また一方では、特別措置がなくても合格できる力をつける、あるいは、高校進学後のフォローなど、個人や組織による支援も引き続き課題である。