こんな授業・あんな授業(17)久々の、日本留学試験「記述」対策

自動車・コンビニ・塾・アパレル・IT・フーゾク・電機・流通・宗教などどこの業界もそうでしょうね、日本語教育業界もまぁそれなりに「変化」があります。変化が全て「進歩」っちゅうわけでもないところが、まぁナニですが^^。
最近の日本語教育業界の大きな変化の一つが三大テストの「改正」。①日本語教育能力検定試験、②日本語能力試験、③日本留学試験、はそれぞれ歴史も対象も異なりますが、業界の「三大テスト」になるでしょうね。
①では、シラバスが変更になった。①は今のところペーパーテストだけなので「合格=日本語教師力がある」わけではないのですが、合格しておくと就職には有利でしょうね。日本語教師のスタートラインに立てる。富山国際学院はスタッフ12人中11人が合格済みです。全国的には日本語学校の教員の60%くらいしか合格してないそうですから、うちんとこは珍しいかも。
②はJapanese Language Proficiency Test(JLPT)、世界規模の試験です。語学試験としては「書く」「話す」がないので欠陥もありますが、まぁ今のところこれしかない。②は従来「4級~1級の4レベル」だったのが「N5~N1の5レベル」になった、試験構成が変わった、測定能力の基準が変わった、Can-Do-Statement(日本語で何ができるかを文の形で明示する)を取り入れる(ただし今年は未導入)といった改訂。

日本語学校にとっては③の日本留学試験(略称「日留試」)が一番大切です。試験構成は、日本語は記述と日本語(読解・聴解・聴読解)、文系科目が総合科目・数学コース1、理系科目が理科(物理・化学・生物から2科目)・数学コース2。日本人のセンター試験みたいな位置づけです。
僕はここ2年、1年次のクラスを担当してたので、今年C組担当で、日本留学試験対策は久しぶりになります。先日C組担任の徳橋陽子さんと副担任の僕とで打ち合わせて、授業プランを立てた。C組(2010年10月入学生が中心)は3月まで『大地』という初級教科書だったのですから、そもそも「日留試」対策なんてムボーなんですが^^、そんなことを言ってたらプロの日本語教師は勤まらない。無理を承知で結果を出してこそのプロでしょうね。
日留試は年に2回、6月と11月にあるので、C組学生の場合、例えば「記述」だったら、6月はまぁ全国平均(50点満点の30点くらい)に近いところを目指す、ってのが現実的な目標でしょうね。5月段階では、「試験形式に慣れる、集中力をつける(記述+日本語は、約120分、休憩なしの試験)」ってあたりを押さえることになるでしょうね。

本日「記述」対策の第1回目を担当。初めに日留試のこと・記述のことなどガイダンス。
漠然と対策やっててもしょうがないので、
 東日本大震災による被災地の復興のために、「消費税を現在の5%より上げて、それを復興財源にあてればよい」という案が出ています。このような方法の長所と短所を説明し、あなたの意見を書きなさい。
本日はもういきなり^^このテーマで取り組む。教師「これを、初級が終わってまだ1か月ちょっとしか経っていない君たちが、30分以内で400字程度書いて50点満点の30点以上取るには、どうしたらいいのかなあ」。学生に一方的にストラテジーを教え込むのも一方法でしょうが、それでは内発性がない。付け焼刃・メッキはあかんのですね。まぁ細かいところの指導は企業秘密ですが(嘘爆)、学生にそれなりにストラテジーを自覚させる。まだ試験まで1か月あるので(6月19日に金沢星陵大学ってところで本番)、急ぎすぎずbutゆっくりしすぎず、そのあたり作っていきます。
対策1回目なので、すぐ原稿用紙に書くのではなく、長所・短所を話し合わせる。欧米系や韓国人はそういう話し合いっての得意ですが、中国人は(日本人もそうですが)苦手。意見を言うのもどっちかというと不得手が多い。中国も日本も教育システムがそういうところ、うまく機能してないのでしょうね。それでも教師が誘導したり挑発したりしているうちに、ポツリポツリと出てくる。長所①お金が集めやすい、②一定以上の額のお金が集まる、③国民に連帯感・一体感が生まれる、など。短所①奥村先生や自分たちのような貧乏人は負担が大きい、②税率をかなり上げないと復興財源にはならない、③消費意欲が薄れる、など。こうやって議論することで、なにごとにも長所・短所、プラス・マイナスがあるものだということに気づけば、この段階では充分でしょうね。そして、短所やマイナスもやり方次第でいい方向に持っていけることもあるというような議論に発展していけばもっといい。後は、自分一人でそういった作業ができるようになること。論理的な思考を、しかも母語以外で、っての、決して簡単なことじゃないでしょうね。

明日は、予想される3つの出題パターンのうちの上記とは別のパターンの
 現在、日本では、肉体的にも精神的にもおとなしい男性、いわゆる「草食系男子」が増えています。
 最近の若い男性の変化について、あなたの国や知っている地域の状況を説明してください。
 そして、その状況はこれからどうなっていくと思うか、あなたの考えを、理由を挙げて書いてください。

または、
 現在、日本では、「結婚しない女性」「結婚したくない女性」が増えています。
 最近の女性の結婚観の変化について、あなたの国や知っている地域の状況を説明してください。
 そして、その状況はこれからどうなっていくと思うか、あなたの考えを、理由を挙げて書いてください。

のどっちかにしようと思っています。
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by tiaokumura | 2011-05-12 20:08 | 日本語教育 | Comments(0)


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