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一吹雪春の隣となりにけり 普羅

いや~今シーズン、雪がすごい。もう少しで「二三豪雪」になりそうな勢いだった。いやまだ「た」などと油断しちゃぁいけないのでしょうが、今日あたり最高気温10℃近かったような感じで、この後の富山、あまり降雪の心配はなさそうな気がしますが、どうなんでしょう。富山市内、積雪はまだあります。これから雨が降ってくれれば雪も消えていくはず。雪かきはもうあまりしたくないのだけど。なお幸いなことに今シーズン、「雪おろし」は不要でした。

三八豪雪の時は高校生でした。勤務先の富山国際学院の授業でたまにその時の思い出を語るのですが、学生「うっそ~」でしょうね。北陸は世界有数の豪雪地帯。『北越雪譜』なんて、あの当時の江戸人には「うっそ~」だったでしょうね。「いざさらば雪見にころぶ所まで(芭蕉)」は都会人の遊興、「雪とけて村いつぱいの子どもかな(一茶)」が雪国で生きる者の実感でしょうね。越中富山もそうですが雪国は少子化まっしぐらですが。
五六豪雪の時は、富山にUターンして市内の塾で講師だった。勤務先の近くの中教院前の側溝あたりまで雪を捨てに行った記憶がある。三八の時と比べて人心がそろそろすさんできたのでしょうね。雪かきで喧嘩になっている市民も見た。
平成18年豪雪は、富山はそんなでもなかったかな。
今シーズン、JR西日本金沢支社管内で全線終日運休もありました。危機管理が欠如してたのか、人の手配をギリギリでやっているせいか-富山県議会でも厳しく追究されていました。

掲出句、高橋睦郎「花をひろう」(朝日新聞2011年1月29日)で知りました。高橋に拠ると「はるのとなり」は清原深養父(清少納言の曽祖父)の発明だそうです。高橋睦郎(たかはし・むつお1937-)は岩波書店「図書」にも「詩の授業」を連載中(2月号は「東の啄木 西の白秋」)。「花をひろう」も「詩の授業」も毎回楽しみにしています。やがて単行本になったらちゃんと読んでみたい。

前田普羅(まえだ・ふら1888-1954)は富山生まれではありませんが、関東大震災後報知新聞富山支局長として富山に赴任。彼が住んでいた場所は今の僕の勤務先の近くだったようです。普羅は高浜虚子門下で、鬼城・蛇笏・石鼎と並ぶ虚子門四天王。富山では「辛夷」を主宰。彼は富山大空襲(1945年8月1-2日)で罹災、1949年には富山を離れる。
ネットでは「前田普羅」というサイトに彼の句が多数載っています。

今回の大雪、ラニーニャ現象によるとか。海と大気とで世界はつながっているのが実感できた2011年1月の大雪でした。
春の隣」、自然の営みの中で生きる私たちの切実な季語なんでしょうね。
by tiaokumura | 2011-02-06 20:03 | 富山 | Comments(0)


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