『おくりびと』が
第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した。
上の新聞記事は
北日本新聞、動画は
YouTubeより。
この映画の直接のきっかけは、今を去ること十数年前に
本木雅弘が
青木新門『納棺夫日記』に感銘を受けたことに始まる。本木は映画化を発案し自ら主演。監督は
滝田洋二郎。
実はこの映画、
富山県に関わりが深いのです。
青木新門(1937-)は富山市在住の作家。ネット上に彼のホームページ「
shinmonの窓」があります。
『納棺夫日記』は富山市の出版社
桂書房(
勝山敏一代表)から出版された。1993年初版刊行当時に僕は読んだ。今は『定本 納棺夫日記』となって桂書房より刊行(1500円)、他に大手出版社の文庫本にもなっているかと思う。桂書房(勝山が1983年にたった一人で設立)は、今年2月「
第24回梓会出版文化賞特別賞」を受賞した出版社でもある。
滝田洋二郎(1955-)は富山県福岡町生まれ。高岡商業高校(地元では高商―たかしょうーで親しまれている)卒。1981年『痴漢女教師』で監督デビュー、以後多い年で6本もの「成人映画」監督。1986年『コミック雑誌なんかいらない』で一般映画監督デビュー、以後『木村家の人々』(1988)『病院へ行こう』(1990)『僕らはみんな生きている』(1993)『眠らない街 新宿鮫』(1993)『シャ乱Qの演歌の花道』(1997)『お受験』(1999)『陰陽師』(2001)『壬生義士伝』(2003)『バッテリー』(2007)など。この10年間で最新作の『釣りキチ三平』を入れて7作、過去も今もずいぶん多作な監督です。彼の才能を買う人が多いということなのでしょうね。
『おくりびと』には、滝田と高商での同級生
山田辰夫も出演しています。
映画『おくりびと』は36カ国・地域で公開だそうです。アカデミー賞獲得も含めて、この映画が宗教・文化・イデオロギー・民族・言語を超えてあるいはそれらに通底する「
普遍性」を持っているということになるのでしょうね。そのような素晴らしい映画が「
富山」と何重にも縁があるということは、一富山県民として誇りであり喜びであります。
滝田洋二郎さま・本木雅弘さま・出演者スタッフの皆様、青木新門さま・勝山敏一さま。
オスカー獲得、おめでとうございました!